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自動運転は日本に向いている

 自動運転は、日本および日本人に向いている。その理由を物理的な面、精神的な面に分けて話してみたい。

 まず、物理的な面。

 日本はアメリカほどは広くない。

 アメリカの国土は広く、そのため、原則として法律も認可も州単位だ。つまり、自動運転が認められない州が一つでもあれば、全米全体での自動運転は実現しない。

 一方、日本の国土はアメリカほどは広くなく、そのため、原則として法律や認可は国家単位になる。もちろん、条例などで市町村単位で規制することもできるが、国土が狭い分、国としての一体感はアメリカより相対的に強いと考えられる。

 逆に、日本よりも面積的に狭い国、例えばシンガポールと比較して考えてみょう。

 シンガポールは日本以上に統制が取れている国家だと思う。国土が狭い分、国の目が行き届くということなのだろう。そのため、市街地での自動運転の実験には向いている。しかしながら、国土が狭いため、自動運転によるメリットが市街地走行に限定される。

 日本はシンガポールのような都市国家とは異なり、国土がある程度の広がりを持っている。測り方にもよるが、端から端までで約2,000㎞あり、その国土に高速道路が張り巡らされている。つまり、市街地走行だけでなく、長距離走行においても自動運転によるメリットを享受できる。

 以上が物理的な面で、日本が自動運転に向いている理由である。

 一方、日本は精神的な面でも、自動運転に向いている。それは、日本を構成している日本人が精神的に統制が取れているからだ。

 自動運転の実用化にあたっては、従来なかった決まりが必要となる。それを受け入れることが、他の国よりも容易だと思われる。

 以上が精神的な面で、日本が自動運転に向いている理由だ。

 これだけ、好条件がそろっている国は滅多にない。そして、肝心の技術力も日本にはある。是非、日本全体で自動運転の早期実現への機運を盛り上げよう。