japan2020 人工知能と日本再考→再興

不易流行---変わらない真理と変わるトレンド

武器としてのデータ分析→RとPython

 瀧本哲史氏の「僕は君たちに武器を配りたい」は刺激的なタイトルで面白い本だ。しかし、彼が武器とする決断思考や交渉思考が一般的な武器になりえるかというと、正直、疑問だ。

 ここいらへんの議論は、誤解を招きやすいので、じっくり進めていこう。

 まず、武器は本来、各個人の特徴に合わせて選ぶべきだ。すなわち、絵を書くのが好きで上手なら画家や漫画家を目指す。落としどころとして、デザイン関係の仕事なんて良いかもしれない。同様に、スポーツが得意なら、サッカー選手や野球選手を目指せば良い。最終的に体育の先生や体力を生かして警察官になっても良い。

 つまり、各人が個性を基に武器を選ぶとすれば、先ほど述べた一般的な武器というのは、ちょっと矛盾するようにも思える。

 しかし、瀧本氏が言う決断思考や交渉思考は、彼が卒業した東大や彼が教える京大では、当然、誰もが身に着けるべき武器だが、そういった一流どころではない人が身に着けるべきぶきとしてはヘビーだし、役に立つかどうか怪しい気もする。アマゾンの書評で誰かが書いていた通り、彼の本の通りに交渉したら、頭でっかちな変な奴と思われてクビになるだろう。

 決断思考や交渉思考が大切なのは十分承知した上で、より汎用性が高く有益だと僕が考えるのは、データ分析だ。RやPythonをマスターして、データという材料を、データ分析というかたちで料理できるようになるのが良いと考える。

 事実、というか証拠に基づいて議論しなければ、地に足が着いた議論はできない。