japan2020 人工知能と日本再考→再興

不易流行---変わらない真理と変わるトレンド

【自動運転】リスク・ゼロを追い求めない---ルンバが日本で誕生しなかった理由

 自動掃除機のルンバのメーカーは、地雷除去などを手掛ける軍事関連会社だ。地雷除去の技術等を活用した技術だが、自動掃除機レベルであれば、日本の家電メーカーも十分、作ることが可能だった。

 だけど、ルンバは日本では誕生しなかった。なぜか。それは仮に技術的には可能での製品化を社内で検討した際、「もし仏壇のロウソクを倒して火事になった場合、責任が取れない」との判断があったからだ。

 必要以上にリスク・ゼロを追究すべきではない。ロウソクをつけたまま、自動掃除機を動かしたとしたら、動かした方に過失があるのではないだろうか。製造物責任法PL法)で問われるのは、製造物の欠陥により損害が生じた場合の損害賠償責任である。運用に問題があった場合、責任を問われるのは運用者ではないだろうか。

 自動運転でも、リスク・ゼロを追い求めすぎないことが肝心だ。飛行機が飛び始めたころ、隕石がぶつかることが懸念された。しかし、その確率は、59,000年から77,000年に1回だそうだ。

 リスクはゼロにはならない。許容できるリスクかどうかを冷静に判断できる能力が一人一人に求められる。

ツバメとヒトの違いは何か?---しっくりこない疑問

 いつも読ませてもらっているブログにツバメの記事が載っていた。ツバメの巣作りを見たが、親ツバメが子ツバメを上手く育てられていないらしい。心優しきブローガーは手助けをしようかとも考えたが、グッと我慢して自然の摂理に任せることにした。というストーリー。

 実は、ボクも通勤途中で、ことしは偶然にもツバメの子育てを2か所で見掛けた。ツバメの巣を見るなんて何年ぶりだろう。それも2か所で見るなんてビックリだ。両方の巣とも子ツバメが3羽づついて、親ツバメが忙しくエサを運んでいた。

 1か所はクルマのガレージの上だった。クルマの持ち主は、クルマがツバメのフンなどで汚れてしまったが、巣を壊すこともなかった。

 もう1か所は駅の防犯カメラの上の、本当に小さなスペースに巣を作っていた。こちらも、駅員さんが「ツバメの巣がありますので、落下物に気をつけてください」といった貼り紙でお客さんの注意を呼び掛けていたが、巣が壊されることはなかった。

 両方の巣とも、子ツバメの成長を見るのが毎朝の楽しみになり、無事、巣立っていった後に残った巣を見たときは、嬉しくあり、さびしくもあった。

 

 ここで、冒頭のブログに戻る。親ツバメが子ツバメを十分に育てられなかったとき、心配はするが、ボクも手助けはしない。

 でも、これがツバメではなく、ヒトだったら、どうするか。子育ての場合、将来のある子供のためになるのなら、手助けするかもしれない。しかし、仮に相手が高齢者で明日をもしれぬ場合、手助けすると言い切れるだろうか。

 なぜ、相手がツバメなら自然の摂理に任せるのに、相手がヒトなら自然の摂理に任せるのではなく、無条件に助けなければならないと言い切れるのだろうか。

 ツバメの場合は論理の問題だが、ヒトの場合は宗教の問題になってしまうのかもしれない。

 

 それにしても、ボクのなかには、しっくりこない疑問として残っている。

「ドラえもん問題」って知ってる?

ドラえもん問題」って知ってる?

 2013年、麻布中学校の理科の入試問題なんだけど、以下のような問題だ。

『99年後に誕生する予定のネコ型ロボット「ドラえもん」がすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか。理由を答えなさい。』


 人気アニメのキャラを中学入試に使うなんて、個人的にはキライじゃない。
中学受験塾が出した模範解答では「ドラえもん自身が成長したり、子孫を残すことができないから。」となっている。

 実は問題文の最後に以下の文章があり、そのヒントを用いて解答をすれば良いらしい。
【すべての生物に共通する特徴】
特徴A:自分と外界とを区別する境目を持つ。
特徴B:自身がが成長したり、子を作ったりする。
特徴C:エネルギーをたくわえたり、使ったりするしくみをもつ。

 

 中学入試問題の解答は、これで良いとして、この問いに対する本当の答えは何なのだろうか。

 ドラえもんは、のび太と一緒に、相も変わらず失敗の繰り返しだけど、経験を積むことで、「成長」していると思う。

 ハイブリッド動物、例えば、ライオンとトラの雑種動物であるライガーには生殖機能がないので子孫を残せない。日本人だって、草食系という生殖に興味がない若者が増えて、少子化が加速しているじゃないかな。だけど、ライガーだって、草食系だって、立派な生物でしょ?

 逆に、人工知能が発達すると、本来はマシンであって、生物ではない機械が、あたかも生き物やヒトに見えることとあるだろう。

 将来、人工知能と生き物の区別が難しくなる時代が来るかもしれない。

 大切な問いに対しては、塾や他人が言うことを、そのまま聞くのではなく、自分の頭で考えてみよう。

【日本の未来】「ナポレオンの村」をチョイ見して想うこと

 「ナポレオンの村」は、TBSの日曜劇場でやっているドラマ。限界集落を救った主人公を描いたディズニー映画のような物語らしい。

 この手の物語は、ドラマ的にはハッピーエンドで番組が終われば良いから単純だ。でも、世の中は、終わりを前提としておらず、永続する物語(ゴーイング・コンサーン)が前提だ。

 本当は建物のスクラップ・アンド・ビルドのように、世の中も新陳代謝が必要だと思う。例え話的に言いたいのだけれど、もう助からない患者に高額な注射をするのであれば、その分の医療コストで助かる若い命が多くあるのではないか。つまり、努力やお金は貴重で有限だから、効率的に使う必要があると思う。

 財政破たんした夕張市を見て思ったけど、衰退する町に身の丈に合わない投資をしても、将来の傷口を広げるだけだと思う。

 テレビドラマとしての「ナポレオンの村」を悪く言うつもりは毛頭ない。けれども、この番組を見て、本当は助からない村を「俺も村おこしで盛り上げよう」って思う人がいて、その人の人生が無駄になったりすることはないのか。心配になってしまう。

【自動運転】赤旗法って知ってる?(歴史に学ぼう)

  赤旗法って、知ってる? 僕は最初、その言葉を聞いたとき、共産党の機関紙(赤旗)からの連想で思想統制の話かと勝手に思った。

 赤旗法は、19世紀後半にイギリスで施行された法律。自動車が安全か不安だったので、自動車の前に赤旗を持った人を歩かせて、安全を確認していた。この法律により、イギリスの自動車産業はドイツやフランスに大きく遅れをとることになった。だって、自動車は赤旗を持った人より早く走れないわけで、自動車の良さを殺してしまった。

 自動運転の実用化に際して、新しい規制が必要かもしれないけど、赤旗法みたいな悪法だけは避けたいね。是非とも、歴史に学ぼう。愚かなことは繰り返さないようにしよう。

【自動運転】懐かしい未来へ進もう!

 資源に乏しい日本は、自動車産業に雇用等を大きく依存している。

自動車関連雇用 : 548万人 (8.8%) *国内就業人口中の割合<2011年>
製造品出荷額 : 47兆2962億円 (16.4%) *全製造業中の割合<2010年>
データ出展 一般社団法人 日本自動車工業会

 その自動車産業において起きているパラダイム・シフトが自動運転だ。しかし、自動運転に対して懐かしい未来を感じている人が多いのでないだろうか。

 つまり、スーパージェッターにおける流星号やナイトライダーにおけるナイト2000など、自動運転はSFの世界では親しんでいた相棒だ。自動運転は懐かしい未来だと言えよう。

 今、話題の技術には懐かしい未来のアイテムが多い。例えば、スマホ。これもSFの世界のガジェット(小道具)としては似たようなものはあった。それから、ヒト型ロボット。これはアトムや鉄人28号を筆頭にアニメなどではおなじみだ。

 自動運転もSFの世界ではあったが、懐かしさを感じる未来の一場面を彩る重要なアイテムだ。早いところ、公道実験を重ねて、世界に先駆けて実用化されることを望んでいる。

【安保法制】要は、米国と手を結んで、中国の脅威に備えましょうということ

 安保法制が憲法違反か否かの議論が盛んだ。憲法学者ではないので、学説的な議論には興味がない。

 いまの日本を取り巻く状況を考えたとき、安保法制は米国と手を結んで、中国の脅威に備えようという意味だと考えている。

 地政学的に見れば、物理的に近い中国と友好関係を維持できれば良いと考えている。しかし、中国は共産党の正当性を国民に示すため、共産党は日本との戦いに勝利し、国民を解放したという立場を堅持するだろう。すなわち、中国にとって日本は基本的に敵国だ。そして、中国の脅威は近年、増してきている。

 もし、中国から日本の領有権を脅かすような事態、たとえば、尖閣諸島をめぐる問題が発生した場合、自動的に米国が助けてくれるようなことはないだろう。

 もちろん、安保法制が国会で承認されたからと言って、そのことイコール、米国による日本の安全保障になんてことにはならない。しかし、米国との関係強化は日本が国際社会で生き残る上で、大切なことだと考える。