japan2020 人工知能と日本再考→再興

不易流行---変わらない真理と変わるトレンド

社会保障の充実が結果的に少子化に結び付く

 日本の最大の課題は少子化だ。そして、社会保障の充実が少子化を後押ししている面がある。

 昔は子供の数が多かった。子供が多いと良いことがあった。子供は貴重な労働力だった。同時に見逃せないのが、子供が老後の生活を支える社会保障の役割を担(にな)っていた面があったことだ。

 戦後、日本が豊かになり、年金制度が作られ、社会保障が充実した。子供が親の金銭的な面倒を見る役割から解放されたとしたら、それは子供にとってもハッピーなことだ。

 同時に、子供がいなくても、老後の生活保障に問題がないのであれば、苦労して子供を持たなくても良いと考える人も増えた。つまり、社会保障の充実が結果的に少子化と結び付いたのだ。

 社会保障の充実は、人生の質を高める重要な施策である。しかし、それが結果として少子化の一因になるとは、何とも皮肉な現象だ。