AIカーが「人間よりも安全」と言われる日が来る
実証実験によりデータの蓄積が進めば、AIカーが「人間よりも安全」と言われる日が来る。
人間の長所は認める。しかし、今日では頭脳の勝負である将棋の世界においても、人間がコンピュータに勝てなくなりつつある。センサーを始めとしたハードとセンサー等によって集められたデータを処理するソフトの進歩が進めば、人よりもAIカーの方が安全になっても不思議ではない。
交通事故の原因で多いのは、わき見運転であり、その結果として追突事故などが起こる。一方、AIカーは、わき見運転しない。当然、飲酒運転はしないし、ソフトによる制御が正しくなされていれば、スピード違反もしない。また、運転中にケータイが鳴って、気を取られて事故になったなんてこともなくなる。
すなわち、人間が起こす事故原因のほとんどは、AIカーにとっては事故原因にならないものである。
運転中、ドライバーは認知、判断、操作を繰り返す。それぞれに10分の1秒かかると言われている。つまり、一つの動作をする際に、0.3秒かかる。一方、コンピュータは認知、判断、操作を1,000分の1秒で行い、一つの動作にかかる時間は、0.003秒だ。
反応時間だけで比べれば、コンピュータの方が人間よりも100倍、速いことになる。もちろん、反応速度だけでなく、適切な判断を下せるかどうかがポイントだが、判断に間違えがなければ、コンピュータの方が安全ということになる。
技術的には、実用化の目途が立ちつつある現在、実証研究を続け、技術やノウハウを蓄積することが大切だ。