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自動車メーカーとグーグルは話がかみ合わない【クルマのミライ1】

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 自動車メーカーとグーグルは、水と油だ。話をしても議論がかみ合わない。
 生い立ちが人の考え方に影響するように、企業の歴史もその考え方に大きく影響する。
 
 自動車メーカーは戦後、国家戦略とも相俟って、大きく発展した。道路が整備され、郊外型のモータリゼーションが進む生活にあって、生活必需品の地位を占めていった。
 高価であるクルマも、生活における必要性と豊かさの広がりから、順調に売り上げ台数を伸ばしていった。
 クルマメーカーとしては当然、クルマ、すなわち、モノを売って、ナンボのセカイである。
 
 一方、グーグルは元々、検索サービスの会社だ。つまり、モノではなく、サービスの提供を生業として、成長してきた。
 グーグルもグーグルグラスを売るじゃないか、という意見もあるだろう。しかし、グーグルがグーグルグラスを売るのは、自分たちのサービスを提供するための事前準備としてグーグルグラスを売ろうとしているのだ。つまり、グーグルのメインは、あくまでサービスの提供だ。
 
 つまり、クルマメーカーはモノにより、グーグルはサービスにより、価値を提供している。
 取り扱い対象が異なる(モノとサービス)のだ。まず、基本認識として、この違いを確認しておかなければならない。
 
 グーグル関係者は自動運転において、自動運転可能なモノ(クルマ)を売るのではなく、サービスとしての提供を考えている。