japan2020 人工知能と日本再考→再興

不易流行---変わらない真理と変わるトレンド

自動車はコモディティになる

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 今や、日本は自動車産業に大きく依存している。自動車産業の競争力が失われれば、日本の産業の競争力が失われると言っても過言ではないだろう。

 自動車産業における日本の優位性は、当面は揺るぎないものと思われる。しかし、以下の2点において懸念がある。

 まず、第一に韓国や中国といった新興国の追い上げである。

新興国が自動車の製造技術をマスターし、日本の自動車産業の脅威になる日が来るかもしれない。現に、韓国の現代自動車や起亜自動車(現代財閥の傘下)はアメリカ市場において価格競争力を武器に日本車と競合する例が見られる。家電産業において、中国メーカーが日本メーカーと競合したように、今後は、中国製の自動車が日本製の自動車と競合する日が来るかもしれない。

 そして、第二に自動車産業におけるモジュール化である。

現在の自動車の製造過程においては、日本が得意としている摺り合わせ技術が用いられている。これはエンジンに内燃機関を利用しているからであって、いわばアナログの世界である。

 今後、バッテリー技術等が進歩し、電気自動車が発展すれば、自動車がデジタル製品になり、モジュール化が一気に加速することだろう。そうすれば、自動車産業は今以上に組立産業になるだろう。PCを組み立てるように、自動車を組み立てる日が来るかもしれない。

 日本としては、現在の自動車がコモディティになったときに備えて、差別化を今から指向すべきである。そのためには、自動運転を実現するAIカーの研究に力を注ぐべきであると考える。

 それが、日本の生きる道であると信じている。