japan2020 人工知能と日本再考→再興

不易流行---変わらない真理と変わるトレンド

日本の企業の生きる道→長所で勝負

 日本の企業のレベルは高い。その高さが災いして、海外で商品を売る場合、オーバースペックになってしまうことが、よくある。つまり、現地の市場価格としては高価格になり過ぎてしまう。

 この現状を踏まえて、「じゃ、どうすれば良いか?」という話。答えは、三つあると思う。

 まず、第一はブランドとしての確立を目指す方法。高品質・高価格を貫く方法だ。フランスやイタリアの高級ブランドをイメージしてもらえば分りやすい。ここでのポイントは、ブランド価値を高めるストーリーが構築できるかだ。伝説的な物語りを作り上げる必要がある。

 次に、第二の方法は現地企業との提携だ。これは中品質・中価格で商品を販売する方法だが、価格を抑えるためには現地を良く知る企業との提携が欠かせない。品質も現地企業としては高いが、日本と同じ品質では価格が高すぎて現地の消費者の手が出せない商品になってしまう。第一の方法に比べれば、薄利多売に近い。この方法のポイントは提携パートナーとして適切な相手を選べるかどうかだ。

 最後に、第三の方法だが、これはB2Cではなく、B2Bを目指すという方法。つまり、ハードであれば生産財の提供、ソフトであればノウハウの提供だ。生産財であれば、買い手もプロなので、日本製品の良さをアピールしやすい。すなわち、すぐ壊れてしまうような機械では、先方の生産が安定せず、仕事にならない。日本製品の良さを分ってもらえる可能性が高い。この方法のポイントは競争相手が先進国の一流どころということだ。アフター・サービスを含め、ビジネスの広がりは期待できる。

 以上、3通りの方法を述べたが、可能であれば、第三の方法B2Bで生きる道を見つけることが、日本の良さを最も発揮できる方法だと考える。

 日本の競争力が懸念される昨今、戦略的な展開を期待したい。