日本は戦争なんて絶対しない!
安保法制に関連して「戦争を起こすつもりか」的な議論をする人たちがいる。「戦前と似てきた」というコメントを発表する人もいる。
でもね、今の日本は絶対に戦争なんて起こせない。世界価値観調査によれば「戦争が起きた時に、国のために戦えますか?」という問いに対してイエスと答えた人の割合は日本では15%だそうだ。これは感覚的にも合っていて、10人中、一人か二人は奇特な人がいるということだろう。
戦前のことは産まれる前のことなので、僕には分らない。でも、文章や映像で知っている戦前の印象は、先ほどの質問に対する答えの割合は逆になる。つまり、国のために戦うのはイヤだと(正直に?)答える人の割合が、10人中、一人か二人という感じだ。
なぜ、戦前は戦争に対して肯定的だったか。この答えは、日本が日清戦争、日露戦争に勝利したからだろう。両戦争の敵国である中国もロシアも大国だ。まともに戦って勝てる相手ではない。それが、日清・日露のときは、敵失が主因で勝ってしまった。この成功体験があったから、日本は調子に乗って、アメリカとまで戦ってしまった。
日清・日露の勝因を正しく分析していれば、日本がアメリカと戦って勝てないことは明確だった。しかし、成功体験が強すぎて、戦前の日本は戦争に肯定的だった。
一方、現状は当時と全く異なる。戦争は良くないもの、絶対、起こしてはいけないものとの教育が徹底している。そして、国のために戦おう、なんていう元気のある若者は滅多にいない。
だから、今の日本は、絶対に戦争なんてしない。