japan2020 人工知能と日本再考→再興

不易流行---変わらない真理と変わるトレンド

人がすべて→マックとスタバの物語り

 久しぶりにマックに行った。トレンドから外れてしまった店という感触だ。

 マックでのバイトがステイタスだった時代があった。大学生の憧れのバイトだった。それが今では冴えないバイトになってしまった。

 スタバが日本で多店舗展開をする際、マックの優秀なバイトを雇ったという噂がある。真偽は定かではないが、スタバのバリスタの方がマックよりカッコ良いとをわれるのは不思議ではない。

 スタバは40時間の研修を義務付けているらしい。それだけ人に投資しているのだろう。マックも以前はマック大学?の卒業生を幹部にしているという話があった。

 結局、企業が成長できるかどうかは人を育てられるかどうかの問題だ。そして、実力のある人材をつなぎとめていられるかどうかがポイントになる。マックとスタバを見ていて、その想いを強くした。

スマホ時代のインテリジェンスの磨き方

 電車の乗客の時間の過ごし方を見ると、時代が変わったことを感じる。以前であれば、本や新聞、マンガを読む、オシャベリを楽しむといったことが主流だった。でも、今ではスマホをいじっている人が圧倒的に多い。

 スマホは本当に便利だと思う。LineなどのSNS、ゲームを楽しむのも良いだろう。でも、知らない単語に出会ったり、ふと疑問が生じたときは、以下の方法でインテリジェンスを磨いてほしい。

1.まずは、あてずっぽうで単語の意味や疑問への答えを考えてほしい。つまり、こういう意味じゃないか、または、答えはこんなことじゃないかって、間違っていても良いので、ひとまず考えてみよう。その際、なぜ、そう考えたのか、理由まで説明できれば素晴らしい。

2.ここが、本丸だが、ググってみよう。まずは定評のあるサイト、例えばWikipediaみたいなサイトが良いけど、かならず、複数のサイトを見てウラ取りをしよう。いろいろトライしてみると、自分にとって、しっくりくる解説が載っているサイトが見つかるだろう。英語のサイトまで活用できると本当に良い。

3.最後に、最初のあてずっぽうとの差異を検証しよう。できれば、差異が生じた理由まで分析できれば最高だ。最初に、どうして、そう考えるのか、あてずっぽうの理由を考えておくと、差異が生じた理由を考えやすい。

 以上のステップを繰り返すことで、あてずっぽうで正解を導ける確率が飛躍的に高まることと思う。こんなことは今までは出来なかった。スマホのおかげで、外出先であろうが、どこであろうが、インテリジェンスを磨く方法を実現できる世の中になった。

 最後に一つ、注意を付け加えると、情報へのアクセスが容易になったので、知識に対する価値は昔に比べて下がってきている。しかし、上のステップを繰り返すことは、知識量を豊富にするだけでなく、未知のことがらに対する対応能力を上げる意味で、非常に価値がある。つまり、どうすれば、あてずっぽうで正しい答えに近づけるかを訓練することができる。

 ぜひ、実践してもらえると嬉しい。

能動的なB2Bで行こう←日本サバイバル戦略

 以前、日本企業の生きる道として、B2Bが一つの答えになるのではないか、との提案をした。

 この点について、誤解が生じると困るので、補足的に説明したい。何を気にしているかというと、中小企業における下請けもB2Bに相当することだ。

 確かに下請けも系列の大企業に部品を納入するという点では、B2Cではなく、B2Bだ。しかし、下請けにおけるB2Bは受動的なB2Bだ。すなわち、言葉は悪いが、大企業の言われるがままにモノ作りをしていることになる。

 僕が日本サバイバル戦略として提案したいのは、能動的なB2Bだ。大企業と対等な立場でモノ作りをするB2Bだ。時には、大企業に対して提案し、課題解決をリードする立場になるB2B、大企業から頼りにされるB2Bを目指すべきだ。

 そのためには、独自技術を磨き、他のライバルとの差別化をしなければならない。自社の技術力を一度、点検して、強みを見つけ、知恵を絞って、能動的に提案できる意識改革を進めて行かなければならないと考える。

武器としてのデータ分析→RとPython

 瀧本哲史氏の「僕は君たちに武器を配りたい」は刺激的なタイトルで面白い本だ。しかし、彼が武器とする決断思考や交渉思考が一般的な武器になりえるかというと、正直、疑問だ。

 ここいらへんの議論は、誤解を招きやすいので、じっくり進めていこう。

 まず、武器は本来、各個人の特徴に合わせて選ぶべきだ。すなわち、絵を書くのが好きで上手なら画家や漫画家を目指す。落としどころとして、デザイン関係の仕事なんて良いかもしれない。同様に、スポーツが得意なら、サッカー選手や野球選手を目指せば良い。最終的に体育の先生や体力を生かして警察官になっても良い。

 つまり、各人が個性を基に武器を選ぶとすれば、先ほど述べた一般的な武器というのは、ちょっと矛盾するようにも思える。

 しかし、瀧本氏が言う決断思考や交渉思考は、彼が卒業した東大や彼が教える京大では、当然、誰もが身に着けるべき武器だが、そういった一流どころではない人が身に着けるべきぶきとしてはヘビーだし、役に立つかどうか怪しい気もする。アマゾンの書評で誰かが書いていた通り、彼の本の通りに交渉したら、頭でっかちな変な奴と思われてクビになるだろう。

 決断思考や交渉思考が大切なのは十分承知した上で、より汎用性が高く有益だと僕が考えるのは、データ分析だ。RやPythonをマスターして、データという材料を、データ分析というかたちで料理できるようになるのが良いと考える。

 事実、というか証拠に基づいて議論しなければ、地に足が着いた議論はできない。

文系こそデータ分析を活用すべきだ

  会社としてメーカーを考えた場合、大きく製造と販売に分かれる。製造は主に理系が、販売(営業)は主に文系が担当する場合が多い。

 理系の人は大学での実験データの取り扱いから始まって、データ分析には慣れたものだろう。一方、文系の人はどうかというと、数字がキライなだけに、データ分析に抵抗があるのではないだろうか。

 でもね、それで良いのかな?

 販売(営業)は従来、3K、つまり、経験と勘と根性を頼りにやってきていたのかもしれない。でも、それで良い時代は終わった。いまやデータにドライブをかけてディシジョン(決定)を下す時代、つまり、3Dの時代だ。

 販売(営業)がデータ分析を自ら実行し、科学的に行動しなければならない。無駄な精神論は排し、合理的に考える材料として、データを料理できることが生き残る上で必須の時代だ。

日本の企業の生きる道→長所で勝負

 日本の企業のレベルは高い。その高さが災いして、海外で商品を売る場合、オーバースペックになってしまうことが、よくある。つまり、現地の市場価格としては高価格になり過ぎてしまう。

 この現状を踏まえて、「じゃ、どうすれば良いか?」という話。答えは、三つあると思う。

 まず、第一はブランドとしての確立を目指す方法。高品質・高価格を貫く方法だ。フランスやイタリアの高級ブランドをイメージしてもらえば分りやすい。ここでのポイントは、ブランド価値を高めるストーリーが構築できるかだ。伝説的な物語りを作り上げる必要がある。

 次に、第二の方法は現地企業との提携だ。これは中品質・中価格で商品を販売する方法だが、価格を抑えるためには現地を良く知る企業との提携が欠かせない。品質も現地企業としては高いが、日本と同じ品質では価格が高すぎて現地の消費者の手が出せない商品になってしまう。第一の方法に比べれば、薄利多売に近い。この方法のポイントは提携パートナーとして適切な相手を選べるかどうかだ。

 最後に、第三の方法だが、これはB2Cではなく、B2Bを目指すという方法。つまり、ハードであれば生産財の提供、ソフトであればノウハウの提供だ。生産財であれば、買い手もプロなので、日本製品の良さをアピールしやすい。すなわち、すぐ壊れてしまうような機械では、先方の生産が安定せず、仕事にならない。日本製品の良さを分ってもらえる可能性が高い。この方法のポイントは競争相手が先進国の一流どころということだ。アフター・サービスを含め、ビジネスの広がりは期待できる。

 以上、3通りの方法を述べたが、可能であれば、第三の方法B2Bで生きる道を見つけることが、日本の良さを最も発揮できる方法だと考える。

 日本の競争力が懸念される昨今、戦略的な展開を期待したい。

AIはタイムマシン---グーグルのアルファ碁とイセドル九段との対局を見て感じたこと

 グーグルの子会社が開発したアルファ碁が超一流プロを破った。こんなに早く囲碁で人間がコンピュータに負ける日が来るとは思わなかった。

 本日、第四局が終了し、イセドル九段が三連敗の後、一矢を報いた。一勝を挙げたことで少しホッとしている。 

 アルファ碁は人工知能、つまりAIだ。囲碁の世界では約10年前から使われているモンテカルロ木探索を使用している。囲碁の場合、局面の評価が難しい。つまり、どの手が良い手なのか、見極めがつきにくいということだ。

 その評価のために考え出された手法がモンテカルロ木探索だ。ある一手を打った後、後続の手はランダムな手を打って、終局まで行ったとする。終局時に勝っているか、負けているか、勝つ可能性の最も高い手を良い手と評価するという手法だ。

 つまり、コンピュータで未来に行って、その未来が最も望ましい手を選ぶということになる。

 それでは、なぜ、モンテカルロ木探索が囲碁に用いられて10年も経つのに、ここに来て急に超一流のプロに勝てるようになったのか。それは、今までコンピュータが行っていた未来が正しくなかった、つまり、あり得ない未来に行っていたからだ。コンピュータの処理能力の向上および処理方法が洗練された結果、正しい、すなわち、あり得そうな未来に行くことができるようになって、終局という一局の勝負においては究極の未来から見て、次の一手を選ぶことができるようになったわけだ。

 正しい未来に行くために用いられた手段が、機械学習(教師あり学習と強化学習)およびディープ・ラーニング、特に畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、CNN)ということになる。